トップ > 日本ワイン > 日本ワインをワイナリーから選ぶ一覧 > 山梨県の日本ワイン > Kisvin Winery(キスヴィンワイナリー)

Kisvin Winery(キスヴィンワイナリー)

information


Kisvin Winery(キスヴィン ワイナリー)

社長で創業者の荻原康弘(おぎはら やすひろ)氏が、2001年に3代目として家業のブドウ栽培を継いだところから始まります。

当初は生食用ブドウの栽培が中心の農家でしたが、康弘氏に代わってからワイン用ブドウへ植え替えを実施。

元々ワインに興味があり、収穫後の寿命が短い生食ブドウに対し、出荷後もずっと生き続けるワインへの強い興味から植え替えを決めました。

そして、2005年には池川総合ブドウ園の池川仁氏と東京大学大学院・特任研究員の西岡一洋氏たちと共にワイン用ブドウの勉強会グループとして「Team Kisvin」を立ち上げます。

ちなみに、Kisvinという名称は、N kiss vineyard.からで、ブドウ畑にキスをする主語(N)には太陽や栽培家、醸造家、飲み手などが入り、自然を含めて畑やワインに関わる全ての人がワインを楽しんで欲しいという願いが込められております。

醸造責任者斎藤まゆさん

醸造責任者を務める斎藤まゆさんは、中学校までは日本の学校を出ていましたが、高校はテネシー州の日本人学校に進学します。卒業後は日本に戻り、早稲田大学第二文学部の夜学に入学します。

入学の理由はお笑い芸人を目指していたからで、そのため多くの芸能人を輩出したこの夜間の早稲田大学を決めたのでした。そして、2年生のときにフランス語の先生が企画したフランス旅行に参加し、その中でコルシカ島でのブドウ収穫体験をしたことを機に目指すものが変わってきます。

それまではただ何となく芸人を目指したいたのが、収穫を通して喜びを感じられ、やりたいことはこれだと思えたそうです。

3年生の終わりごろからは大学で学ぶ意義を見出せなくなったとして授業にも出ず、卒業を前にして大学を中退。

フランス旅行を機に見えた夢を追って渡米をします。

ワイン造りを基礎から学ぶため、カリフォルニア大学フレズノ校農学部ワイン醸造学科に入学します。

同校ではその年の卒業生の中から一人だけ大学付属のワイナリーで1年間働ける制度があり、その一人にどうしても選ばれたいとの願いから日々ワイナリーに通ってボランティアで働きました。

そして、その甲斐あって選出され、1年間働くことが出来ました。

将来的に日本のワイナリーで働きたいと考えていた斎藤まゆさんは、自分自身のアピールのため日々の仕事の様子をブログを通して発信します。

ちょうどそれが荻原康弘氏の目に止まり、萩原氏はわざわざアメリカまで足を運び誘い入れます。

アメリカから帰国後、Kisvinワイナリーの立ち上げが遅れていたため今度はフランスに渡って修行をします。

そこで学んだことは、世界的銘醸地ブルゴーニュにあってもそこに属する生産者はブルゴーニュという名前の上にあぐらを書くことをせず、隠れた努力を沢山していると知ることが出来たことが大きな財産になったと振り返っております。

日本に帰国した2013年、Kisvin Winery設立と共に醸造責任者に任命されます。

しかし、その頃お腹の中には赤ちゃんがいてテイスティングによるワインの品質確認が出来なかったため、信頼できるスタッフに協力を頼み、無事に初年度の醸造を終えます。そして、醸造を終えた翌日には男の子を出産。

品質向上

萩原氏の自宅の一部を改築して建てられた醸造所の片隅には小部屋が設けられ、斎藤さんはそこで品質向上のための研究も行っております。

例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロに代表されるボルドー系品種は、日本の気候下での栽培ではメトキシピラジンが生じやすく、ワインにしたときにピーマンのような青い香りが出てしまいます。

Kisvinでもメルロを栽培しておりましたが、この発見からメルロの栽培をやめております。

栽培方法においても新しい試みを行っており、日本の栽培家たちはブドウ樹の仕立て方を海外でのスタンダードな垣根仕立てで行う造り手が増えておりますが、Kisvinでは棚仕立てに戻しました。

乾燥した気候下では垣根仕立てで問題ないのですが、雨の多い日本で垣根仕立てを行うと、木の高さが低い垣根仕立てでは地面からの湿度の影響を受けてしまい果房にカビが発生してしまいやすくなるため、地面と果房が離れている棚仕立てが適しています。

また、棚仕立てでは強烈な日差しを葉が傘の役割を果たして果房を守ってくれます。

ピノ・ノワールやシラー、シャルドネなど国際品種で果敢に挑戦しておりますが、そこには世界中の一流ワインが集まるニューヨークでいずれ販売することを目標にしている斎藤まゆ女史の熱意の表れでもあります。

この熱意はかつて芸人を目指したときと違って冷めることがないどころか、熱を上げ続けているために出来上がるワインの品質にもそれが現れているといえます。

全31件